再建築不可物件とは?メリット・デメリットから活用方法まで徹底解説!
目次
■再建築不可物件とは・・・
そもそも再建築不可物件とは、現存している建物を取り壊し更地にした場合においても新たに建物を建設することができない土地のことを指します。
これは各不動産会社が定めているわけではなく、都市計画区域と準都市計画区域にあるため、建築することができないようになっています。
■再建築不可物件の経緯
すでに建てられているにも関わらず、なぜ再建築不可物件が成り立っているのかというとそれは法律の有無にあります。
都市計画法が誕生したのは、1968年になります。
そのため、それ以前に建築された建物については、都市計画法に該当していないことから問題がなかったことになります。
さらに言えば、1950年までは建築基準法が成立されていなかったため、それ以前に建築された建物については、どのような建物を建築しても良かったことになります。
このような法整備の有無があり、再建築不可物件と呼ばれる建物が、今尚現存しているのです。
■再建築不可物件を活用するには?
再建築不可物件は、新たに建物を建設することができないとされているため、どうすればよいのか?という課題が残ります。
そこで、再建築不可物件に対して、何ができるのかをご紹介します。
①リフォーム・リノベーションして住む
再建築不可物件は、新たに建築することはできませんが、リフォームおよびリノベーションが可能となっています。
再建築不可物件の多くは、老朽化が進んでいることもあり、そのまま住んでしまうと快適な生活を送ることが難しい場合があります。増築や改築に伴うリフォームを行うことは難しいですが、建築確認を必要としない範囲内であれば、リフォームは行うことはできるため、間取りを変えて思い通りの住まいにすることも可能です。
また、既存の建物の骨組を残した状態にしてから行うスケルトンリノベーションが可能になる場合もあります。
数十年前の物件でもまるで、現代と同じような物件にすることも夢ではありません。
②賃貸物件として貸し出す
再建築不可物件は住むだけなく、貸し出すことも可能です。
都心部であれば、利便性から入居者の確保が比較的できやすい傾向にあります。
また、古い建物が好きな方や一軒家に住みたいと思う方といった一定の需要があることもあり、貸し出すことで、自身の収益に繋げることができます。
③店舗・テナントとして運営する
営業許可を取ることができれば、自分でお店を開いて運営することも可能です。
都会の中に潜む田舎スタイルのカフェや昔ながらの定食屋さんなど、物件のイメージに合わせたお店を開くことも可能です。
また、自分で運営するのではなく、お店を開きたい方に向けて貸し出すこともできたりします。
④土地として利用する
趣味のものを置いておくスペースとして活用したり、DIY用のスペースにしたりと間接的に利用することもできます。
車やバイクが趣味という場合であれば、大きなガレージが必要になることが多く、自宅ではなかなかできないといった場合に使い勝手の良い物件になることもあります。
さらにセキュリティを補強することができれば、貸し倉庫やトランクルームとしての役割を果たすこともできるようにもなります。
また、更地にしてしまえば、駐車場としても運用することもできます。
新たに建築することはできなくても、更地での利用であれば、問題ではないため、物件を修繕して利用するのではなく、土地そのものを有効活用する方法も考えられます。
⑤再建築をできる状態にする
再建築不可物件にありがちな課題なのが、接道義務と呼ばれる要件を満たしていないことから再建築ができないとされている物件があるのです。
この接道義務とは、道路の幅が4m(特定区域は6m以上になっているエリアも存在する)の道路に2m以上接した土地が必要になるというものです。
接道義務が必要とされている大きな理由は、救急車や消防車といった緊急車両が通ることができるスペースを確保するとともに、災害時の避難経路を確立するために義務付けられています。
そのため、この要件を満たすことができれば、再建築が可能になるため、注文住宅も建設できるようになるのです。
接道義務を満たすには以下のような方法があります。
・道路の幅を広く保てるように既存の土地を後退させる
道路の幅員を満たせていない場合には、自分の敷地の一部を道路にしてしまう『セットバック』と呼ばれる方法を利用することで、建築が可能になります。
・隣地の土地を購入もしくは借りる
今ある再建築不可物件だけでは、再建築が可能にならない場合において、隣地を購入したり、一時的にレンタルしたりすることで、解決することがあります。
当然購入やレンタルする分の費用は掛かってしまいますが、再建築不可物件を生まれ変わらせる方法の1つになります。
このように再建築ができないと言えど様々な方法で活用することができます。
再建築不可物件だからと言って悪い部分ばかりではないのです。
■再建築不可物件のメリット
建て替えることが難しい再建築不可物件でも上記のように活用することができるだけでなく他にもメリットとなる部分があります。
・メリット① 費用が安い
再建築不可物件は、再建築可能な物件と比較して費用が安い傾向にあります。
再建築可能な隣地の物件と比較すると5~7割程度になることがあり、かなりお得に購入することができます。
・メリット② 税金が安い
住まいを購入すると固定資産税が発生しますが、再建築不可物件の場合、資産価値が低いとされ固定資産税が安いです。
実際に住み続けたり、テナントとして運用したりする費用を抑えることができます。
このように全体的な費用を抑えられる一方で、建て替え以外の課題があるのも再建築不可物件なのです。
■再建築不可物件のデメリット
・デメリット① 住宅ローン審査に通らないことがある
再建築不可物件の場合、対人に対しての住宅ローンの審査だけでなく、住宅そのものの価値の低さから審査に通らないケースがあります。
通常の物件で、年齢や健康状態、勤続年数、個人信用情報といった部分で、合格していても物件自体の担保評価が低いことで、落とされる可能性があるのです。
その場合、いくら購入したいと思っても住宅ローンを使用するのではなく、一括での支払いが必要になるケースがあるのです。
・デメリット② 物件が消失すると住むことができない
日本は地震大国であり、その他にも台風といった自然災害が尽きない国の1つです。
自分ではどうしようもない自然災害で、物件が消失してしまうと建て替えることができないことからもうその物件に住むことができなくなるのです。
加えて通常の物件と異なり、建築基準法がない時代に作られた建物であるのであれば、今基準の耐震対策ができていないことも少なくないため、半壊・倒壊するリスクが大きいのです。
自然災害に対する保険に加入することで、ある程度緩和することはできますが、完全に倒壊してしまった際には土地そのものを活用するしかなくなってしまうので、そういった点も考慮に入れておくべきでしょう。
・デメリット③ 制限がある
活用方法の1つとしてリフォームおよびリノベーションが可能とはお伝えしましたが、あくまで建築確認申請が不要な工事に該当する場合に限るのです。
建築申請が不要な工事の対象になるのは、4号建築物と呼ばれる建物の場合です。
4号建築物は、木造建築における2階建て以下および延床面積500㎡以下であり、高さ13m以下かつ軒高9m以下の物件のことを指します。
木造以外で建てられている場合は、平屋かつ延床面積200㎡以下の物件に限られます。
これに該当しない物件であれば、リフォームやリノベーションが行えない可能性があるのです。
さらに実際に工事をする際にも注意が必要で、柱や梁、壁、床、階段、屋根といった主要構造部の2分の1を超えない場合は、建築確認が不要になりますが、2分の1を超える場合は、建築確認が必要となるため、注意が必要です。
・デメリット④ 改修費が高くなる場合がある
再建築不可物件は、購入費用や税金を抑えられる一方、通常の物件よりも改修費用が高くなる場合があるのです。
既存の建築基準法に乗っ取っていないことから、資材搬入が困難な土地に建てられていたり、大型車がそもそも通ることができなかったりするため、その分の費用を上乗せ請求される場合がほとんどです。
そのため、仮に購入費用を半額程度に抑えられたとしても、改修工事を行うにあたり、新築を購入した費用と変わらなくなってしまったということは多々あるため、購入前にどういう風に活用するのかは考えておいた方が良いと言えるでしょう。
・デメリット⑤ 税金が高くなる場合がある
メリットの部分で、固定資産税が安くなる場合があるとお伝えしましたが、現建物の価値が低いことで、安くなっているのです。
更地にして、駐車場や駐輪場としてのパーキング活用や農園といった土地だけの運用を行うとなった場合、固定資産税が上がる傾向にあるため、注意しましょう。
このようにメリットだけでなく、デメリットもある再建築不可物件を実際にどのようにするのが1番なのかという疑問になることでしょう。
もちろんどのようにしたいのかは、一人ひとり異なる意見があるので、何が正解ということはありません。
ただ、本当にどうしたらよいのかわからなくなっている、リスクを全て解消したいという方のためにもう1つの解決手段をお伝えします。
■再建築不可物件に対する最終手段
再建築不可物件を相続や財産分与等で受け取ってしまった場合の最終手段、それは『売却』です。
購入価格が安くなることから売却価格も安くなってしまいますが、所持しているリスクや今後のトラブル、税金に対する金銭面の不安などからは解消されることでしょう。
ただ、買い手がなかなか見つからないことや銀行からの融資が断られる傾向にあることから、積極的に売却してくれる不動産会社は限られています。
そんな時味方になるのが、株式会社恒和です。
恒和は売却の相談から不動産の活用方法まで、一緒になって考えていきます。
また、再建築不可物件でも、リースバックが可能なケースもあるので、住み続けたいと考えているのであれば、リースバックで解決することができる場合もありますので、一度ご相談くださいませ。